新興感染症

新型肺炎の流行は世界の脅威であるが、エボラ出血熱、エイズ(後天性免疫不全症候群)、西ナイル熱、腸管出血性大腸菌Oー157、レジオネラ、プリオンなども耳新しい。制圧と見られていた結核やマラリアやペストなども問題になっています。

病原体はウイルス、細菌、原虫、クラミジアなどの微生物で、地球温暖化や自然環境の破壊による生態系の破壊、都市化による人間の集中、交通機関の発達によるヒトやモノの大量迅速移動、野生動物とヒトの距離の接近が背景にあります。

原因ウイルスの多くは動物を自然宿主とし、熱帯のジャングルで生息していた動物が森林伐採などで住みかを失い、その動物を宿主としていた微生物が人間と接触して感染を起こしています。マレーシアでの急性脳炎の原因ウイルスはコウモリ、西ナイル熱の原因ウイルスはトリが宿主と見られています。日本で輸入ペットとして人気の高いプレーリードッグがアメリカで付着したノミからペストに感染して大量に死にました。野生動物の人間社会への持ち込みも引き金になります。高齢者や糖尿病や喫煙者で免疫力の弱い人が犠牲になります。拡大防止は初動防止策にかかっています。

2003.10.20のニュースでは厚労省はハリネズミとコウモリの輸入を禁止にしたということです。
ハリネズミのだ液や尿中にラッサ熱の菌が、コウモリには狂犬病の菌がいることによります。