アルコールの害

タバコの害が叫ばれ禁煙の場が増えています。しかしもう一つの健康被害の一因であるアルコールは余り注意されていません。特に問題となるのはアルコール依存症で日本人の飲酒人口6,000万人の内230万人ほどは依存症であるとの報告があります。アルコール依存症の人がお酒をやめられないのは、意志や道徳の問題ではなく、病気です。だからこそ、依存「症」という病名がついているのです。この病気を治療するには禁酒しかありません。禁酒に成功した人に多少だったら良いだろうと酒を勧めてはいけません。覚せい剤や麻薬と同様で少しでも飲み始めると元の木阿弥です。禁酒後も一切アルコールを断ち切るしか再発防止の方法は無いことを周りも肝に銘じる必要があります。

厚生労働省では健康日本21で掲げる適正飲酒という概念があり、これによると1日平均純アルコールで約20g程度になります。もちろん飲まなくて良い人は飲まないで構いません。清酒なら一合、ビールなら中びん一本程度ですが飲酒人口の3割位はこれを越えていると思われます。

過量飲酒によっておこる病気を挙げてみますのでアルコールの怖さを再認識して下さい。脳では脳萎縮、認知症。消化器では食道がん、咽頭がん、膵炎、脂肪肝、肝硬変。循環器では高血圧、不整脈、アルコール性心筋炎、代謝障害では糖尿病、痛風、他に多発神経炎や大腿骨頭壊死など、もちろんこれ以外にも様々な怖い病気の原因になります。

「酒は百薬の長」と言って擁護される事がありますがこの言葉の続きも覚えて下さい「されど万病のもと」です。