高尿酸血症が続くと、足部や足関節が赤くはれて「が吹いても痛い」と言われるほど強烈な痛みを起こす痛風を発症します。昔は痛風を放置して腎不全になる人もいましたが、さすがに最近はそういう人は見かけなくなりました。

一方で、高尿酸血症が痛風だけでなく動脈硬化の原因となり得ることで注目されるようになってきました。最近になり「高尿酸血症は、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリック症候群(MS)の発症に先行して認められ、これら病態の発症予知因子となる」という報告が増えつつあるのです。そのメカニズムとして、尿酸自体が血管内皮細胞に取り込まれることにより血管の障害が起こり、その結果として高血圧やインスリン抵抗性(インスリンの効果が低下すること)が引き起こされる可能性が示唆されています。

高尿酸血症の治療は、まず食事・運動療法、禁煙などの生活改善を行い、内臓脂肪の減量を図ることが基本となります。さらに動脈硬化性疾患の危険因子(高血圧、糖尿病、虚血性心疾患、MS)を合併している高尿酸血症であれば、薬物療法開始の基準が8mg/dl以上と、より厳しくなります。