子宮頸がんワクチンの現状(R6.7)
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸部に感染することで発症するがんです。
ただ、この子宮頸がんは世界で唯一ワクチンによって約90%予防できるがんです。日本では、HPVワクチンを定期接種ワクチンとして、小6~高1の女子に積極的に接種するよう呼び掛けています。しかし、諸外国と比べると、日本は圧倒的にHPVワクチンの接種率が低いため、ここ数年では毎年約10,000人が罹患し、約3,000人が亡くなっている状況です。
その理由は、定期接種が導入された2013年4月にワクチン接種後の多様な症状などについて、十分に情報提供できない状況であったことから、2013年6月から2022年3月まで、いったん積極的接種勧奨を差し止めていたからです。しかし、一昨日2022年4月より、安全性についての特段の懸念が認められないことが改めて確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、国は積極的接種勧奨を再開いたしました。
また、これまで上記の理由で定期接種の機会を逃したキャッチアップ接種世代(1997年度生まれ~2006年度生まれの女性)、つまり、本年度で言えば16歳~27歳相当の女性が、現在無料で接種可能となっています。ただし、来年の2025年3月までの時限的措置ですので、キャッチアップ接種世代の接種が急務となっています。加えて、キャッチアップ接種世代は3回接種が必要であることから、本年9月末までに1回目を接種しないと3回分すべてを公費負担で接種することが難しくなってきます。
定期接種世代やキャッチアップ接種世代に対して、その親御さんやご家族から正しい情報をお届けし、ぜひ接種を前向きに検討いただきたいです。
女性の未来を守るために、HPVワクチン接種について考えてみてください。