2025年01月27日
子供の背中みてますか? (R7.2)
思春期側彎症は背骨が側方へ湾曲する病気で、小学高学年から中学時代までに発症し思春期の間に進行します。女子に多く人口の約2%にみられます。発見が遅れ大きく曲がってしまうと、心臓や肺の機能が悪くなり手術が必要になることがあります。一方、早期に発見しコルセットなどで加療することによって9割以上が手術を回避できるという報告もあります。ですから、できるだけ早期に発見することが肝要です。しかし、ほとんど自覚症状がないので、家庭や学校健診で発見するしかありません。愛媛県では小学5年生と中学1年生でモアレ検査という器械による側弯検診も行っていますが、発育には個人差があるため、モアレだけでは見逃されてしまうこともあります。そこで毎学年学校健診の際に運動器検診を同時に行っています。運動器検診の第一段階は家庭での保護者によるチェックです。毎年新学期に学校保健調査票の記入依頼があります。その際、前かがみにした時の背中の形や肩の高さに左右差がないか、四肢に痛みや動きの異常がないかなどをチェックするようになっています。年に一度は子供たちの姿勢や身体の状態を保護者もみてもらいたいのです。それが早期発見の一番の手だてです。