骨粗しょう症は骨が弱まり骨折しやすくなる病気で、女性に多く50歳ごろから増加します。骨粗しょう症で太ももの付け根や背骨を骨折すると日常生活動作が障害されてしまいます。また手術やリハビリでせっかく回復してきた頃に、新たな骨折を起こしてしまうことも少なくありません。こうした骨折の連鎖は、高齢者になるほど自立度を下げてしまい要介護状態になる原因にもなっています。
 骨粗しょう症の診断検査はとても簡単で痛みもありません。日本には約1,400万人の患者がいますが、診断を受けているのは半分の約700万人で、そのうち薬などの治療を継続しているのは約400万人と言われています。つまり骨粗しょう症なのに未診断・未治療の人がとても多いのです。骨折しないかぎりは無症状のため、「自分は大丈夫」と思って検査を受けていない人も多いと思われます。
 骨粗しょう症は放置して治ることはありません。今はいろいろな薬があり、骨折リスクを3~5割も低下させることができます。ただし治療を中断すると骨折しやすい状態に戻ってしまうので、継続することが大切です。
 骨折予防のために、50歳を過ぎたら健診会場や医療機関で骨粗しょう症検査を受けてみましょう。