体の痛み、全身倦怠感、胃の不快感、息苦しさ、喉の違和感などを認めることは、誰にでも起こり得ることです。
 当然、整形外科・内科・呼吸器科・咽喉科などの身体科にかかられることでしよう。
 しかし、そこでいくら調べてもらっても明らかな異常が出ない、つまり、器質的異常が存在しないことがあります。
 人間の身体の知覚や感覚の異常の中には、医学的な検査で明らかな所見を示さない場合が少なくありません。つまり、自分では感じるけれども、実際に受診してみると、あまりはっきりした病名もつかないし、さっと症状がとれるような治療もしてもらえないというケースです。
 これは、「身体症状症」と思われます。成人の5~7% にみられ、男性よりも女性に多くみられます。プライマリケアの16~3O%にみられるという報告もあります。詐病のように意図的、意識的に病気のふりをするということではありません。
 原因や誘因として、老化やストレスがありますので、身体症状症の場合は、疲れない程度に体を動かしたり趣味に興じたり、環境を調整することも大切だと思います。