新型コロナウイルス感染症の流行により、感染予防対策として、「3密」の回避などが叫ばれ、「自粛生活」を余儀なくされた生活様式へ大きく変化しています。その過剰な自粛生活がもたらす「コロナ太り」による健康被害が問題のように思われがちですが、高齢者では「コロナ痩せ」、すなわち活動性の低下による体重減少が進んでいきます。

この「痩せ」が進行すると、腹部の体脂肪ではなく、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下してゆきます。さらに、問題は、減少するのは足腰の筋肉だけではなく、体幹部分の筋肉も減少するということです。この体幹部分の筋肉が減ると、踏ん張る力が弱くなり、転倒しやすくなってしまいます。

「コロナが怖い」→「外出自粛」→「活動量の低下」→「食欲低下・低栄養状態」→「筋肉が衰える」→「体力低下」→「あ~、ますますコロナが怖い」という悪循環が懸念されます。よって、高齢者がこれを防ぐには、正しい知識を持って、正しく恐れ、正しい対策で「有意義な自粛」を行いましょう。

さあ、まずは一歩前に歩き始めましょう。