2016年3月18日より、50歳以上の帯状疱疹予防のために、水痘(みずぼうそう)のワクチンが、自費で希望者に接種できるようになりました。

帯状疱疹は、この健康手帳で以前にも紹介されましたが、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが神経の中に残り、免疫が低下した頃に、再び活動する事によって起こります。身体の片側に赤い発疹や水疱が帯状に現れ、ピリピリと痛みを感じます。

日本では年間約60万人が帯状疱疹にかかります。患者の半分以上は60才以上で、さらに半分の人は合併症をおこします。最も多い合併症は帯状疱疹後神経痛です。薬で、帯状疱疹の重症度や期間は軽減されますが、帯状疱疹後神経痛は完全には予防できません。

今回、国内で使用可能となったワクチンは、米国で使用中のワクチンと同じウイルス株を用いています。米国での研究で、接種後3年経過した時点で、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の発症率が半分程度に減少しました。しかし、帯状疱疹の既往歴のある高齢者や、現在発症中の帯状疱疹には効果を認めませんでした。また、帯状疱疹発症後の接種では、帯状疱疹後神経痛に効果を認めませんでした。ワクチンの有効性は約5年程度だそうです。