人における1日の総エネルギー消費量は、(1)安静時新陳代謝、(2)熱産生、(3)運動による身体活動で生じるエネルギー消費、(4)運動によらない身体活動で生じるエネルギー消費(ニート)の4つを合計したものです。

(1)~(4)の消費エネルギーにはそれぞれ、(1)1日のエネルギー消費量の50~70%を占め、細胞の代謝、換気、循環など正常な体の維持に必要、(2)体温維持に必要、(4)姿勢の維持などに使われる意図しない身体活動(「座る」「立つ」「歩く」など)によるエネルギー消費、という意味があります。

米国の研究では、「やせている人」と「太っている人」で1日の体位とエネルギー消費量を比較してみると、前者が後者に比べ体を起こしている時間が1日約2.5時間多かった(睡眠時間には差なし)のです。これが両者におけるニートの差に相当し、「やせている人」の方がエネルギーの消費が1日約350キロカロリー多い計算になります。

逆に、「太っている人」でもニートを増やせば、食べる量を減らさずに1年間で15キログラムの減量につながるということです。実際にニートを増やすには、食事療法を前提に「階段を使う」、「つま先立ちで歯をみがく」、「テレビは横にならずに座って見る」などが例として挙げられ、御自分の体重が気になる方にお勧めします。