平成15年の成人喫煙率をみると、男性39.3%、女性11.3%と、米国や英国、北欧諸国などと比べると、依然として高い喫煙率です。

平成18年度から喫煙はニコチン依存症と認められ、禁煙治療に公的医療保険が適用され、禁煙希望者は、原則3割負担で専門医の指導や治療が受けられます。厚生労働省の調査では、治療を5回全部受けた人の5割強が半年後も禁煙を持続し、途中で中断しても、治療の回数が多い人ほど効果が見られました。

京都大学大学院経済学研究科の依田高典教授がニコチン依存度に応じて低・中・高度喫煙者に分けた616人を対象に、禁煙する条件について調査しました。喫煙の程度によって多少の差は見られましたが、タバコの価格が上がるにつれ喫煙を続ける確率が下がり、最も禁煙が難しい高度喫煙者でも、1箱700円になると約半数が禁煙するという結果が出ました。公共の場で喫煙すると罰金を科したり、健康に対するリスクを知ったりしても、タバコの価格引き上げと比べ、禁煙に踏み切る要因として弱いことも判明しました。

諸外国並にタバコの価格を上げることが、治療しようとしない大半の喫煙者にも、禁煙・禁煙治療への後押しとなるようです。