緑内障による失明が日本でも非常に増えており、後天的失明で最多の原因になっています。一般的に、緑内障は眼圧が異常に高くなって視神経が障害される疾患として知られていますが、10~21mmHgという正常範囲の眼圧でも起こるのが正常眼圧緑内障で、後者による緑内障の方が圧倒的に多いのです。

日本における調査では、40歳以上の人の5~6%に緑内障があり、正常眼圧緑内障は慢性緑内障の90%を占めるといわれています。眼圧が正常でも視神経障害を起こすメカニズムとしては、視神経乳頭部と言われる部分が「貧弱」であるためと説明されています。

もう1つ、老化も要因となり得るもので、若い人には起こりにくく、40歳以上で問題となってきます。この病気は最終的に失明してしまいますが、進行するまで自覚症状は全くありません。したがって、40歳以上になったら、職場健診等で眼底の検査(まずは無散瞳眼底カメラ)を受けることをお勧めします。

治療は薬物療法が基本になり、何種類かの点眼薬があります。眼圧が正常範囲内でも治療すべきで、30%下げると進行が食い止められる、または遅くできると報告されています。