白内障は70歳台の8割、80歳台の9割に認められますが、診断は肉眼では難しく、細隙灯顕微鏡という器械で初めて容易に診断できます。その原因は加齢が最多で、最近は糖尿病やアトピー性皮膚炎に伴うものが増えています。

症状は視力低下、まぶしさ、ものが二重・三重に見える、明るい所で見えにくいなどです。白内障の程度は数字で表せない主観的な判断になるため、いつ手術を受けたら良いかについては、本人の自覚症状やライフスタイルによるところが大きく、あとは眼科医との話し合いで決められることになります。

現在日本で施行される白内障手術は年間120万件で、人口の高齢化とともに増加傾向で、すべての外科手術の中で一番多くなっています。昔は手術に1時間かかっていたのですが、器械や技術の進歩により非常に高度な手術にもかかわらず15分程度の短時間で行えるようになりました。

その他、認知症があると自分で異常を訴えられないため、年1回程度の定期的な眼科受診が望まれます。そして早期に白内障の手術を受けることにより、本人だけでなく介護者の負担も軽くなり、認知症の重症化の予防にも効果が期待できると報告されています。