埼玉県で捕獲された犬の糞から、エキノコックスの虫卵が検出され話題になりました。これはサナダムシの一種で、虫卵が経口的に人体に入ると肝臓で病巣が広がり、手術以外に治療方法のない人獣共通感染症です。

ペットを飼育する人が増えるにつれ、動物から人にうつる人獣共通感染症も増えています。原因となる病原体はウイルスから寄生虫までさまざまです。感染経路も噛まれたり引っ掻かれて感染するもの、唾液などから感染するもの、排泄された病原体を吸い込んで感染するもの、血を吸ったダニや蚊を経由して感染するものなど色々です。

人獣共通感染症はほとんどがごく稀に発生する病気なので、いたずらに恐れる必要はありませんが、可能な限り予防することが大切です。

(1)野生動物をペットにしない
(2)ペットの排泄物は速やかに処理をする
(3)ペットに口移しで餌を与えたり、顔や口の周りを舐めさせたりしない
(4)ペットを定期的にシャンプーして皮膚を清潔に保つ
(5)生肉を与えたり、野性小動物を捕獲させたりしない
(6)定期的に獣医師の診察を受けて予防接種をしたり健康を保つ
(7)ペットとのふれ合いの後には石鹸をつけ流水で手洗いをする

などを心がけましょう。