国立感染症研究所(感染研)は今年は流行性耳下腺炎、いわゆる「おたふく風邪」の流行年に当たるとして注意を促しています。

1995~2004年における年別累積定点当たりの報告数を見ると、約4年毎(1997年と2001年)に増える傾向が見られ、今年は流行する可能性が高いと考えられています。実際に今年の小児科定点からの週別報告数は過去2年間の同時期と比較して多くなっており、感染研は今後夏に向けてさらに流行が拡大する可能性が十分にあると分析しています。

おたふく風邪は、3~6歳を中心とした小児に好発する疾患で、2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側性の唾液腺(耳下腺が最も多い)の有痛性腫脹を特徴とするウイルス感染症です。通常は1~2週間で軽快する疾患ですが、無菌性髄膜炎、髄膜脳炎、神経性難聴、睾丸炎、卵巣炎、膵炎等の種々の合併症を起こす場合もあります。感染経路はヒト-ヒト間の飛沫感染、接触感染です。