平成11年、A香港型の流行による高齢者の施設での相次ぐ死亡(多くは肺炎合併)と、乳幼児の脳炎・脳症(痙れん・意識障害)の発生が報告されました。

 1~3日の潜伏期をおいて多くは突然の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠、食欲不振などの全身症状を訴えます。同時にまたはやや遅れての鼻水、咽頭痛、咳が生じます。腹痛や吐き気、下痢を訴えることもあります。高齢者では鼻水や咽頭痛よりも、咳や痰や食欲不振の方が多く見られます。警戒すべきはこれらに続く肺炎の合併です。

 治療は安静、保温、水分の補給(脱水の防止)、室内の加湿、必要に応じての解熱・鎮痛剤や咳止め・去痰剤の投与です。高齢者ではさらなるきめ細かい処置が望まれます。A型の場合、特効薬として平成10年に認可された抗インフルエンザ薬の、発病後48時間内での服用が有効です。

 予防策として最も有効なのはワクチンの接種です。最近の接種率の極端な低下には、流行に対する危機感を募らせています。欧米ではその有効性が確立されており、わが国においても高齢者やリスクの高い小児に限らず、受験生、寄宿舎・寮などでの集団生活をする人達にも接種が勧められます。