健康のためにウォーキングをしている方は多いと思いますが、あなたは歩く時にどの様な工夫をしていますか?

過去に勧められてきた、「中等度の強度を維持して歩く」方が多いのではないでしょうか。最近、信州大学の能勢博氏が開発したインターバル(以下、I)速歩が、中高年の体力向上や血圧、血糖、脂質等を改善する運動療法として国内外で関心が高まっています。

このI速歩は(1)最初の3分間は普通のスピード、(2)次の3分間は足を大きく開き息が上がる程の速いペースで、(3)上記(1)と(2)を5回繰り返すものです。

2型糖尿病患者で、このI速歩を1回に60分、週5回、4ヵ月間続けた研究報告があります。その結果平均血糖値は13mg/dl低下し、血糖を下げるインスリンを分泌する力に変化はないもののインスリンが効きやすい体に変化、さらに、寿命と関連する運動体力(最大酸素摂取量)が改善していました。一方、「中等度の強度を60分間持続させた」歩行では、上記何れの効果も認められませんでした。

以上より、歩行運動は強度を交互に変化させることが重要であることが証明されたわけです。