この度日本動脈硬化学会が5年ぶりに動脈硬化性疾患予防に関するガイドラインを改訂しましたので、その概要について簡単に説明致します。

(1)今後10年間の冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)による死亡率を個別に判断し、それが0.5%未満を低リスク群、2%以上を高リスク群とし、その中間にあるものを中リスク群と分類。

(2)その上でまず脂質異常症の有無についてスクリーニングを行い、糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞、下肢動脈硬化症のうち1つでもあると、それだけで高リスク群に分類されます。

(3)これらに該当しない場合は、これまでとは異なり、コレステロール値だけで治療の必要性を判定(相対リスクを基準)するのではなく、血圧、喫煙の有無、性別の条件をも併せて各個人のリスクを判定(絶対リスクを基準)することにより、「真に治療が必要な患者に適切な治療を施す」ことになります。つまり、各リスクレベルに応じた脂質の管理目標が設定されます。

(4)また動脈硬化性疾患の予防のために、脂質異常症だけでなく、高血圧、糖尿病、喫煙なども総合的に管理することも織り込まれました。

その他、詳細につきましては、かかりつけの先生にお尋ね下さい。