アルコールをよく飲む人は、健康診断でγ-GTP高値を指摘されたことがあると思います。このγ-GTPは、肝細胞内に存在して飲酒により増えます。他の肝細胞内の酵素であるAST(GOT)、ALT(GPT)より先行して上昇するため、アルコール性肝障害の早期診断に有用です。

この数値は断酒後4週間で前値の40%以下になりますが、数日間位の断酒では正常値までには戻りません。また、肝障害の進展度とは関連しない(低い値だからといって大丈夫なわけではない)こと、飲酒しても異常値を示さない人が存在することが飲酒のマーカーとしての問題点です。

アルコールが飲めるか否かについて、「エタノールパッチテスト」が一般に知られています。なぜ皮膚にアルコールを貼ってその過敏症がわかるのでしょうか?

アルコールは肝臓でカタラーゼ、ADH(アルコール脱水素酵素)、ALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)といった酵素で代謝されますが、皮膚にもわずかながらこれらの物質が存在します。ALDHが欠損したり、その働きが弱い人は、アセトアルデヒドが代謝されずに局所的に蓄積するため毛細血管が拡張して皮膚が赤くなるというわけです。