HbA1cは、過去2~3ヵ月における血糖の平均値で、糖尿病患者の血糖コントロールが上手く行っているか否かの判断基準として日常診療で広く使われています。これまでHbA1cの測定法には、アメリカ中心に使われてきたNGSP値、日本のみのJDS値、ヨーロッパ中心のIFCC値と、3種類がありました。

測定法が違うと、同じ人の血液で同時に測定しても3種類の異なった結果が出てくるという不都合があるわけです。特に困るのは、国内と海外の研究発表データが単純比較出来ないということです。たとえば、JDS値で「HbA1cが6.5%以上になると糖尿病合併症が進行しやすくなる」という評価は、NGSP値なら「6.9%以上になると進行しやすくなる」ということになるわけです。

今後日本国内では、「HbA1c国際標準化」を目的にJDS値をNGSP値に合わせることになるため、JDS値が4.9%以下では0.3ポイントを、5.0~9.9%では0.4ポイントを、10.0~14.9%では0.5ポイントを加えた数値(NGSP値)で表記されることになります。

従って、血糖コントロールの基準も優(~6.1%)、良(6.2%~6.8%)、可(6.9%~8.3%)、不可(8.4%~)と0.4ポイントずつ上乗せされた値になります。そして日常診療では、平成24年4月1日から上記変更値が採用されることになりますのでご注意下さい。