「高血圧」という病名がありますがそもそも血圧とはなんでしょうか。血圧とは「心臓から送り出された血液が動脈を押す圧力」です。心臓は1分間に通常60~80回程度拍動しています。拍動時に心臓から血液が押し出されている時を収縮期といい、逆に心臓が広がりながら血液をためている時期を拡張期といいます。拡張期には血液が送り出されていませんが収縮期に広がった動脈が元に戻ろうとして血管に圧力がかかります。そのため収縮期の血圧は必ず拡張期より高くなります。つまり血圧を測定して高い方が収縮期血圧(最大血圧)で低い方が拡張期血圧(最小血圧)です。

現在日本高血圧学会で定めている高血圧の基準を簡単にすると収縮期血圧は130以下が正常、130~139が正常高値、140以上が高血圧で拡張期血圧は85以下が正常、85~89が正常高値、90以上が高血圧です。この数字の単位はmmHg(水銀柱ミリメートル)で水銀の比重が13.6とすると1mmHgの圧は13.6mmの高さの水の圧力と同程度ということです。簡単に言うと130mmHgの血圧で血管に穴が開いたら血液が1,768mmつまり1.8m位の高さまで吹き出てもおかしくないという事です。もし収縮期血圧180mmHgで脳出血を起こしたら高さ2m50cmまで吹き出ている血液を止めないといけないことになる訳です。

また、視点を変えれば血圧180の人はそれだけの圧力で心臓を動かし、血管で圧を支えないといけない訳です。当然、血圧130の人よりずっと早く心臓や血管が痛んでくる事が考えられます。そのため現在症状がなくとも高血圧の人は正常血圧に治療しておく事が大事なのです。