風疹は例年春から夏にかけて流行します。全国約3,000の小児科定点医療機関から報告される1病院あたりの第14週の風疹患者の報告数が0.06人となり、感染症法施行(1999年4月)以降、最も高い数字に達しました。1993年以来11年ぶりに風疹が大流行する恐れが出てきて、厚生労働省は妊娠する可能性があり風疹に免疫のない女性に予防接種するようにと発表しています。

予防接種の対象年齢を下げた1994年の制度改正で接種対象から漏れた、現在15歳から25歳までの免疫のない「谷間世代」の女性が子供を生む年齢を迎えています。この世代は男女合わせて約1,250万人いますが、厚生労働省は半数の約600万人が予防接種をしていないとみています。

なぜ風疹の流行が問題視されるのかというと、免疫のない母親が妊娠の初期に風疹にかかることによって、生まれてくる子供が、心疾患・難聴・白内障などの病状が出る先天性風疹症候群(CRS)になる心配があるからです。

CRSを予防するには(1)妊娠可能な年齢で風疹に免疫のない女性は予防接種を受けて、その後約2ヶ月は避妊する(2)流行の中心になる子供達にワクチンを接種し風疹の流行自体を防ぐ、事などが有効とされています。