赤ちゃんは生まれて6ヵ月くらいたつと、生前にお母さんからもらってきた抗体(病気に体する抵抗力)がなくなってきます。そのためいろいろな小さな病原体(ウイルスなど)が体に入ると感染を起こし、それらをやっつけるために体が反応して熱を出します。熱が出るのは、体の中に入ってきたウイルスをやっつける大切な反応です。熱が出たら水分を多くとり脱水を防ぎ、38.5度くらいになったら体力の消耗を防ぐべく、安全な解熱用の座薬を使いましょう。
 この時期に2~3日熱が続き、熱が下がると同時に体にピンク色の小さな斑点が出ることがあります。これは生まれて初めて「ヒトヘルペスウイルス6型」というウイルスの感染を受けたときに生じる「特発性発疹」です。多くの赤ちゃんが経験するもので、特別心配することではありません。

[発熱に対する新規追加事項]
 発熱に対する考えは先生によって多少違いがあり、むやみに解熱させないという考 えもあります。つぎのように指導をしている小児科医もいますので参考にして下さい。
 「 熱があっても、機嫌が良く、顔色も普通であれば解熱剤を使って熱を下げる必 要はありません。 解熱剤は、病気を治す薬ではなく、発熱に伴う自覚症状を一時的 に軽減するだけです。夜間など、急に発熱したとき、比較的元気であれば、水分を十 分に与え、経過をよく観察して、翌日受診してください。もちろん、38度以上で、苦 しそうであれば、日頃かかりつけ医から貰っている解熱薬(頓服や座薬)を指示通り 使って差し支えありません。 解熱剤を使っても全く解熱しないときや、一度下がっ た熱がまた高く出た場合は、5-6時間たっていれば再度使ってもかまいません。ただ し、熱は1度でも下がれば、苦しみはかなり軽減されますので、平熱まで下がらない からといって再度解熱剤を使うことは避けてください。解熱剤を使用し、熱が下がっ ても病気が治ったのではないので、翌日は必ず受診し、医師の診断を受けてください 。」