肛門が痒い人はかなりいます。ひそかに市販の軟膏で悪くさせている人もいます。日本人は清潔意識が強く、「肛門を清潔に」と思っている人は、入浴で入念に洗ったり、消毒綿などで手入れしたりしています。デリケートな薄い皮は傷つき皮膚炎を起こします。このため、しめっぽくなり、やがて痒くなり、摩擦の繰り返しで益々悪くなり、もっと清潔にと皮膚をこすります。車を毎日洗車機にかけているようなものです。慢性化すると灰色に変色し、皮膚の肥厚が生じ、太く大きいしわが生じ、たまらない痒みとなります。「痔の気」のある人は、「清潔にしなければ」とせっせと洗うためこうなる人は多いのです。

 最近はウォシュレットの普及で清潔好きの若い男性にも増えております。長時間の洗浄でお尻がふやけ、皮膚を守るため酸性にしている10種類以上の皮膚常在菌が減り、皮膚が中性化します。このため抵抗性が落ち、病原菌にやられて皮膚炎を起こします。 このようなお尻は皮脂がとれ、妙な光沢があって、滑りが悪く、ねとっとしています。やがて変色し、肥厚し、汚くなっていきます。「きれいにしておきたい」はずが逆の結果になります。過ぎたるは及ばざるが如し。紙で軽くすますのが自然です。