てんかんは、脳の神経細胞の過剰な電気的興奮により、意識消失やけいれんなどのてんかん発作を繰り返し引き起こす病気です。乳幼児から高齢者まで全ての年代で発症する可能性がありますが、2000年頃から高齢者のてんかんが小児のてんかんを上回るようになり、現在の日本の高齢者てんかんの有病者数は30~40万人にのぼると言われており、全てのてんかん患者のおよそ1/3にあたります。

高齢者てんかんのほとんどは部分発作で、意識がはっきりしている単純部分発作と意識障害を伴う複雑部分発作に分けられます。

 単純部分発作では、運動障害(手足がつっぱる、けいれんする等)、視覚聴覚異常(光が見える、音が響く等)、自律神経異常(頭痛、嘔気等)などがみられます。

複雑部分発作では、意識が徐々に遠のいて周囲の状況がわからなくなる意識障害がみられますが、倒れることは少なく、急に動作を止めて顔をボーっとさせる、フラフラと歩き回る、口をモグモグさせるといった無意味な動作を繰り返すなどがみられます。

 自覚症状がないことも多く、周囲から認知症と勘違いされることもあるので、心当たりがありましたら医師にご相談してみてください。